開基、法名釋受賢
生国は三河国碧郡藤井村の郷司にて、俗称は藤井左衛門尉藤原重季という。
本願寺十三代宣如上人、関東下向の砌(みぎり)、鳴海之駅に於て得度、法名受賢と賜わり、僧門に入る。
しかして上人の巡化に随行して犬山に至る。
当時、犬山坂下地区には寺院なく、かねてからの寺院建立の望みにより、宣如上人より本尊を下附(裏書、寛永十九壬午三月下院、尾州丹羽郡犬山荘中切惣道場、願入寺、願主受賢、大谷本願寺、宣如)せられ、願入寺を建立す。
以後、世々に相続して願入寺十四代千龍、現在に至る。